熱の伝わりやすさ
テーブル上のいろいろな素材の板に手をしばらく当てたあとにサーモグラフィー※で見ると、手を当てていたところの温度がまわりより高くなり、手形が浮き出て見えます。素材によって手形の見え方にちがいがあるのはなぜでしょうか。
それには、素材による熱伝導率(熱の伝わりやすさ)のちがいが大きく関係しています。
熱伝導率の高い素材は、手形がくっきりせず、手のまわり全体が温まり、手形が消えていくのも早いのがわかります。
金属のアルミニウムは熱伝導率がすごく高く、手を当てても熱がすぐに広がるため、手の形が残りません。
一方、木材やアクリルなど熱伝導率が低い素材は熱が伝わるのがおそく、手が当たっていたところから熱があまり広がらないので、手の形がくっきり見えます。
どの素材も、いずれは熱が素材全体に広がり、熱のかたよりがなくなって手形は消えてしまいますが、熱伝導率が低い素材ほど広がるのに時間がかかるので、比較的長く手形が残ることになります。
※物から放射される赤外線を分析して、熱分布を見えるようにする装置。